続・俺と結婚しろよ!
「危なかったぁ!」
あたしは賢ちゃんを見て笑う。
精一杯の作り笑いで。
「賢ちゃん、さすがだねぇ!」
そう言った時、
「馬鹿かお前」
賢ちゃんは、さっきと同じテンションであたしに言う。
胸がズキンとする。
「なっ……何言ってんの?
賢ちゃんのほうが馬鹿でしょ?」
いつもの賢ちゃんに戻ってほしくて。
あたしは冗談を言うが、
「あのままホテルに連れていかれたらどうする?
写真撮られたらどうする?」
賢ちゃんは相変わらず厳しい。
刺すような瞳であたしを見る。
賢ちゃんは、怒ってる。
あたしは、初めて賢ちゃんを怒らせた。