続・俺と結婚しろよ!
結局、目の腫れはプロのメイクで何とかなった。
何とかなったといっても、近くで見るとやっぱり浮腫んでいて。
「顔が変わると、整形とか言われる世界なのよ?」
村木さんは心配そうだ。
整形……か。
あたしには関係ない。
でも、もうちょっと美人だったら良かったのに。
賢ちゃんの歴代の愛人を思い出した。
みんな綺麗だ。
あたしなんて子供だと思えるほど。
そんなあたしに、
「あら」
すれ違いざまに声をかける人。
その人を見て……
あたしは後ずさりした。
こんな時に、賢ちゃんと喧嘩している時に、絶対に会いたくない人。
人形かと思うほど足が長くて、色白で、背中までの髪はサラサラで。
小顔で、少し強そうな切れ長の瞳。
彼女は、賢ちゃんの愛人だという、タレントの優理だ。
彼女を見ただけで、ドキドキする。
ドキドキって言っても、嫌なドキドキだ。
それなのに、悠真なんて
「おぉ!ホンモノ優理?
まじキレイ」
なんて言ったりして。
あたしの劣等感が膨らむ。