続・俺と結婚しろよ!
ドキドキドキドキ……
鼓動が速い。
一瞬訪れた沈黙が、何時間にも思えた。
賢ちゃん、まだ怒っているのかな。
もしかして、ふられるのかな?
嫌な想像ばかりが膨らむ。
「咲良。どこにいるんだ?」
聞こえてきたのは、いつもの賢ちゃんの声。
その声を聞くだけで、再び涙が溢れてくる。
「いま……っく……雑誌撮影……終わった……」
必死でこらえるのに、嗚咽がどんどんこみ上げてきて。
電話口で醜くしゃくり上げるあたし。
賢ちゃんに、こんな声聞かせたくないのに。
これじゃ、賢ちゃんの同情を誘ってるみたいじゃん。