続・俺と結婚しろよ!
あたしは口を歪めて賢ちゃんを見たが、賢ちゃんはいつもの調子で続ける。
「お互い好きあってんだ。
別れる理由なんてねぇだろ」
「でも、森井さんが……!!」
思わず声を荒げたあたし。
こんなあたしの頭に、賢ちゃんはその大きな手を優しく乗せる。
「まぁ、落ち着けって」
「落ち着けないよ!」
「何か方法はあるだろ?」
「ないよ!!」
あたしは叫んでいた。
顔をくしゃくしゃにして。
こんなあたしを見て、賢ちゃんは額に手を当てて頭を振る。
あたし、幻滅されたのかな?
だけど賢ちゃんは再びあたしを見た。
すっごく優しい瞳で。
その瞳で見つめられると、胸がとくんと鳴る。
ピンチなのに、なんとかなると思ってしまう。