続・俺と結婚しろよ!
「前にも言ったけど、意外とみんな気付かねぇもんだよ」
「そうなんだ。
じゃ、次から粗探しする!」
「頼むからそれはやめろ」
賢ちゃんはそう言って、ビールを飲み干した。
開け放した窓から、夏の風が舞い込んでくる。
そして、キラキラ輝く東京の夜景が見えた。
「つまんねぇ話は、もう終わり」
賢ちゃんは立ち上がり、窓を閉める。
窓を閉め、下界の喧騒から寸断されたこの部屋は、急に静かになる。
「つまんなくない」
静寂の中、あたしは賢ちゃんに言っていた。
「つまんなくない!
あたし、もっとFのこと知りたい。
賢ちゃんの話を聞きたい!!」