続・俺と結婚しろよ!





「前にも言ったけど、意外とみんな気付かねぇもんだよ」



「そうなんだ。

じゃ、次から粗探しする!」



「頼むからそれはやめろ」




賢ちゃんはそう言って、ビールを飲み干した。








開け放した窓から、夏の風が舞い込んでくる。

そして、キラキラ輝く東京の夜景が見えた。





「つまんねぇ話は、もう終わり」




賢ちゃんは立ち上がり、窓を閉める。

窓を閉め、下界の喧騒から寸断されたこの部屋は、急に静かになる。





「つまんなくない」




静寂の中、あたしは賢ちゃんに言っていた。




「つまんなくない!

あたし、もっとFのこと知りたい。

賢ちゃんの話を聞きたい!!」



< 32 / 629 >

この作品をシェア

pagetop