続・俺と結婚しろよ!






だけど……




賢ちゃんが電子ドラムに座った瞬間、空気が変わったんだ。




そこにいるのは確かに賢ちゃんなんだけど、玄だった。

すっと伸びた背筋。

軽く握ったスティック。

全てがサマになってかっこいい。

そして、ただならぬオーラをひしひしと感じた。

駄目だ、何も始まっていないのに、胸が熱い。





そして……



茜ちゃんの楽譜を見て、軽々叩く賢ちゃん。

その音色を聴いて思った。

やっぱり天才だと。




ただのドラムなのに、その音に惹きつけられる。

その手元に見惚れてしまう。

ぐいぐい心を掴まれて、離れなくなってしまう。

悠真も上手だけど、悠真とは全然違う。

それがはっきり分かった。



< 333 / 629 >

この作品をシェア

pagetop