続・俺と結婚しろよ!
「咲良の友達に、嫌われるのは辛い」
玄さんは困ったように言う。
こんな玄さん、咲良ちゃんが言うように、本当にすっごく優しくて、楽しい人なんだろう。
「あたしは……気にしてないですけど」
気にしていないはずがない。
だけど、そう言ってしまう。
すると、玄さんはすごく嬉しそうに笑った。
テレビなどでは決して見ない、眩しい笑顔だった。
「玄さん、咲良ちゃんのこと、大好きなんですね」
そう言うと、
「やべぇくらい好きだ」
彼は言う。
その優しい笑顔のまま。
「自分でも狂ってると思う。
咲良が笑うなら、何だってしてやりたい」
その言葉が胸に沁みる。
あたし、彼のことを誤解していたのかな。
それとも、彼が変わったのかな。
あたし、今の玄さんは嫌いじゃない。
「俺は賢一。
仕事以外で玄って呼ばれるの、好きじゃねぇ」
あたしは笑顔で玄さん……いや、賢一さんを見ていた。