続・俺と結婚しろよ!
「咲良」
急に名前が呼ばれ、飛び上がりそうになった。
あたしの大好きな声、その声を聞くだけで胸が熱い。
そう、賢ちゃんだ。
なんで賢ちゃんがいるの?
あたしは振り返って賢ちゃんを見る。
賢ちゃんはダークスーツに身を包んでいて。
やっぱり目深にハットを被っていた。
胸元から覗くチョーカーに、輝くピアス。
いつもと違う賢ちゃん。
F仕様の賢ちゃんだ。
そんな賢ちゃんにドキドキしてしまう。
あたしは、苦し紛れに言う。
「何の用?」
「何の用って……」
賢ちゃんは苦い顔をする。
「ツンデレかよ」