続・俺と結婚しろよ!
言われなくても分かってる。
あたしはツンデレだ。
カッコイイ賢ちゃんの前で素直になれなくて、ツンツンしてしまうんだ。
「俺は大好きな咲良が見えたから、すっ飛んできただけだ」
カッコイイ玄なのに、言うことはいつもと同じ。
そんな賢ちゃんに、少しだけほっとする。
そして、
「頑張れよ」
いつもの笑顔に、胸が甘い音を立てる。
「俺は咲良を応援してる」
そんな賢ちゃんに、思わず言ってしまう。
「今日は敵でしょ?」
「敵?……そうだな」
賢ちゃんは複雑な顔をした。
「俺はそんなこと思わねぇ。
俺の敵は、前川のみ!
だから、咲良が楽しく歌えるように祈っておく」
「馬鹿!」
あたしは賢ちゃんのシャツを掴み、顔を埋めていた。