続・俺と結婚しろよ!






言われなくても分かってる。

あたしはツンデレだ。

カッコイイ賢ちゃんの前で素直になれなくて、ツンツンしてしまうんだ。





「俺は大好きな咲良が見えたから、すっ飛んできただけだ」




カッコイイ玄なのに、言うことはいつもと同じ。

そんな賢ちゃんに、少しだけほっとする。

そして、



「頑張れよ」



いつもの笑顔に、胸が甘い音を立てる。




「俺は咲良を応援してる」




そんな賢ちゃんに、思わず言ってしまう。




「今日は敵でしょ?」



「敵?……そうだな」




賢ちゃんは複雑な顔をした。




「俺はそんなこと思わねぇ。

俺の敵は、前川のみ!

だから、咲良が楽しく歌えるように祈っておく」



「馬鹿!」




あたしは賢ちゃんのシャツを掴み、顔を埋めていた。





< 379 / 629 >

この作品をシェア

pagetop