続・俺と結婚しろよ!
「きっと、お父さん、天国で喜んでいるよ?
賢ちゃんが立派になって。
美味しいフランス料理店も経営していて。
それに、こうやって時々帰ってきてくれて」
「咲良……」
賢ちゃんの声は、必死に涙を堪えているようだった。
あたしは、そんな賢ちゃんの心の拠り所になりたいと、本気で思った。
「咲良……お前は本っ当に……」
「もういいよ。
無理に話さなくていいよ」
あたしは、力いっぱい賢ちゃんを抱きしめる。
若い頃の賢ちゃんの気配を感じながら。
賢ちゃんのお父さん、賢ちゃんに会わせてくれて、ありがとうございます。
明るくて、お馬鹿で、優しくて、時々甘くって、そして家族思いで。
賢ちゃんほど素敵な人、あたしは知りません。