続・俺と結婚しろよ!
だけど、
「良かったね、咲良」
お母さんはすごく嬉しそうな顔をしてくれる。
そんな顔を見ると、あたしまで嬉しくなる。
お母さんはそんな調子だったけど……
「それで……
今日は紹介しに来たのか?」
今まで黙っていたお父さんが口を開く。
一瞬、部屋に沈黙が舞い降りた。
そして、お母さんが何か言いたそうな顔をした時……
「咲良さんと、結婚させてください」
賢ちゃんが不意に言った。
しーん……
再び、部屋が静かになる。
幸二とお母さんはぽかーんと賢ちゃんを見ていて。
お父さんは口をきゅっと結んでいる。
そして、あたしは今までになくドキドキしていた。
あたしの家に来てから、賢ちゃんはいつもの賢ちゃんではなかった。
ちゃんとしていて、紳士的で。
きっと、テレビでFを見ていなかったら、普通のちゃんとした男性だと思ったに違いない。
あたし、賢ちゃんのこと、また好きになった。
こうやって、どんどん離れられなくなっていく。