続・俺と結婚しろよ!
「あれ?」
幸せの中、お母さんの声で我に返る。
お母さんは、あたしの口元にある左手を見ていて。
「指輪、きれいね」
そう言ってくれる。
そして、何気なく目線を移したあたしの鞄に入っている箱を見た。
そして……
「もしかして、その指輪……」
「?」
「すごく高いんじゃない?」
「?」
高いのは当然だよね。
ダイヤモンドだし、婚約指輪だし。
だけど、
「一千万くらいするんじゃない?」
その言葉に倒れそうになった。