続・俺と結婚しろよ!









帰りの車の中で、早速言う。




「賢ちゃん、馬鹿じゃない?」



「馬鹿だぞ?」




賢ちゃんはいつもの調子だ。

そして、ホッとした顔をしている。

そんな賢ちゃんに、あたしは罵る。





「指輪!一千万もするの!?」




賢ちゃんは黙って前を見ている。




「豚に真珠だよ!

他に使い道あるでしょ?」






車の中に沈黙が訪れた。





馬鹿はあたしだ。

せっかく賢ちゃんが指輪をくれたのに、こんな可愛げのないことを言ってしまって。

すごくすごく嬉しい。

でも、その現実味のない金額に、目が眩んだ。



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