続・俺と結婚しろよ!
「賢ちゃんとは違うんだから!」
あたしは賢ちゃんに言う。
だけど、あたしは知っている。
賢ちゃんも暇ではないことを。
朝早く起きて、店に行っている。
日中は働いて、夜になるとこのスタジオに来ているんだ。
そんな働き者の賢ちゃんだけど……
「優弥、何も行ってこねぇけど、やるんだよな?」
賢ちゃんはすっごい嫌そうな顔で言う。
「俺もそう思う。
アルバムの制作もするって言ってるし」
慎吾さんも浮かない顔。
そして、
「俺たち、さすがにツアーはできないもんね」
蒼さんが設計図に何かを書き込みながら言った。
アルバム!?
そんなこと、初めて聞いた!
「賢ちゃん、何で教えてくれないの?」
そう言うと、
「まだ、正式に聞いてねぇからな」
賢ちゃんは相変わらず難しい顔をしている。
「年末のライブ」
「はぁ!?」
あたしは、大声を出していた。