続・俺と結婚しろよ!
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「はは、そんなことか」
家に帰って一部始終を賢ちゃんに話す。
すると、賢ちゃんは案の定笑っていた。
「なんでそんなに笑うの?
馬鹿なの?」
思わず聞くと、
「俺は馬鹿だ」
いつもの返事。
そんな賢ちゃんの様子に、少しだけ安心した。
「そりゃ、女優と結婚する奴もいるだろうよ」
賢ちゃんは言う。
「だけど、優弥と蒼の奥さんは一般人だ」
そうなんだ。
あたし、他のメンバーの家族の話、あまり聞いたことがなかったな。
「咲良がそんなに気になるなら、何か考えねぇとな……」
そう言って、賢ちゃんは少し決まり悪そうに、髪を手で触る。
賢ちゃんが照れている時の癖だ。
どうしたんだろう……
そう思ったあたしを、賢ちゃんはまっすぐ見た。
その少しつり上がった瞳はやっぱり優しくて、安心してしまう。
そして、やっぱり胸がドキンという。