続・俺と結婚しろよ!





ーーーー……

ーーーーーー……







「はは、そんなことか」




家に帰って一部始終を賢ちゃんに話す。
すると、賢ちゃんは案の定笑っていた。




「なんでそんなに笑うの?

馬鹿なの?」



思わず聞くと、



「俺は馬鹿だ」



いつもの返事。
そんな賢ちゃんの様子に、少しだけ安心した。





「そりゃ、女優と結婚する奴もいるだろうよ」




賢ちゃんは言う。




「だけど、優弥と蒼の奥さんは一般人だ」




そうなんだ。

あたし、他のメンバーの家族の話、あまり聞いたことがなかったな。





「咲良がそんなに気になるなら、何か考えねぇとな……」


そう言って、賢ちゃんは少し決まり悪そうに、髪を手で触る。

賢ちゃんが照れている時の癖だ。




どうしたんだろう……



そう思ったあたしを、賢ちゃんはまっすぐ見た。

その少しつり上がった瞳はやっぱり優しくて、安心してしまう。

そして、やっぱり胸がドキンという。



< 536 / 629 >

この作品をシェア

pagetop