続・俺と結婚しろよ!
「じゃ、今日はあたしがご飯作るね」
感謝の気持ちも込めてそう言った時……
賢ちゃんの携帯が振動する。
賢ちゃんは無表情でそれを取り、
「はい」
静かに電話に出た。
今日は「もっしー」じゃないんだ。
むしろ、真面目モードなんだ。
そう思って聞いていたあたしの耳に、衝撃的な言葉が飛び込んでくる。
「料理長が?入院?
マジか……
近藤さんも、子供が手術で来られない?」
賢ちゃんは悩ましげに宙を見つめていて。
「……分かった。すぐ行く」
電話を切る。
そして、申し訳なさそうにあたしを見た。
「ごめん、咲良。
せっかく一緒にいられると思ったのに、店がピンチらしい」
そう言って、賢ちゃんはジャージを脱ぎ、ジーンズに履き替える。
そして、ジャケットを羽織った。