続・俺と結婚しろよ!






それから……




あたしは、メレンゲ、生クリームとひたすら格闘していた。

腕が痛くなるほど泡立て続けた。

これじゃ、本当に腱鞘炎になってしまう。

賢ちゃんが腕にサポーターを巻いていたのは、もしかしてFじゃなくてこっち?なんて思えてくるほど。






店は殺伐としていて。

賢ちゃんは冗談なんか言わず、ひたすら料理を作り続けていて。

あたしは、混ぜ続けていた。

そんなあたしを、時々上田さんが心配そうに気にしてくれた。

上田さんの作るケーキやデザートも、芸術的で美味しそうで。

ついついつまみ食いをしたくなる。

だけど、空腹を我慢して、ひたすら頑張った。




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