続・俺と結婚しろよ!
扉を開けると、あたしの大好きな賢ちゃんが立っていた。
ポロシャツにハーフパンツ。
いつものラフな格好で。
それがまたかっこよくて。
いちいちドキンとしてしまう。
賢ちゃんは、ファンの前では決して見せない、いたずらな笑顔であたしを見る。
そして、両手を伸ばし、
「咲良!」
あたしを呼ぶ。
もう、駄目。
賢ちゃんが好きすぎる。
最近は毎日会っているのに、もっともっと会いたくなる。
時間が足りないほどに。
賢ちゃんの腕の中に飛び込みたい。
ぎゅっと抱きしめてもらいたい。
だけどあたしは、
「バーカ」
敢えて賢ちゃんを突き放す。
賢ちゃんはそんなあたしを見て顔をくしゃっとした。
そして、
「思い通りにならねぇな」
不満そうに口を尖らせて言う。