続・俺と結婚しろよ!








「さ、着いたぞ」




賢ちゃんはあたしの背中に手を添えて、タクシーを降りた。





見慣れた高級マンション。

見慣れた豪華なあたしたちの家。

賢ちゃんは鍵を開け、あたしを中に招き入れる。




久しぶりに賢ちゃんに会えた。

久しぶりに、この家で賢ちゃんと過ごせる。

次に賢ちゃんに会うときは、二人とも笑顔だと思っていた。

賢ちゃんの束の間の休息時間を、二人でゆっくり過ごそうと思ったのに。




……なのに、あたしのミスで、全てぶち壊しだ。



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