続・俺と結婚しろよ!
「それで、今日は何の用?」
部屋の真ん中にどかっと腰かけて、テレビを見ている賢ちゃんに聞く。
賢ちゃんは困った顔をして、
「用がなかったら、来ちゃいけねぇのかよ」
なんて言う。
だから慌てて
「そんなことは……」
いいかけたあたしに、賢ちゃんは笑顔で手を差し出した。
思わずその手を見る。
そして、
「え……」
声を漏らしていた。
男らしい大きなその手。
手首には、やっぱりサポーター。
さりげない練習の跡が見えるその手には……
銀色の鍵が握られていた。
まさか……
まさか、これ……
「咲良の鍵だ」
賢ちゃんはそう言って、ボーッとしているあたしに鍵を押し付ける。
あたしは慌ててその鍵を受け取った。