半世紀の想いを乗せて
プロローグ
ピッ……ピッ……ピッ………
あなたは今、どこにいますか?
あなたは今、何を見ていますか?
あなたは今………
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キーンコーンカーンコーン…
「きりーつ、れーい」
「ありがとうございましたー」
休み時間だ。今日もまた笑ってる。
教室中に私の笑い声が響く。
大口開けてばかみたいに笑ってる。
毎日が楽しい。
素敵な友だちにたくさん囲まれて。
なんでも話せる、なんでもさらけ出せる、こんな友達がいるから。
毎日バカやって、毎日大笑いして。
「ねぇるみ好きな人いないのー?」
「いないよー。それに今中2でしょ?今付き合ったって結局別れちゃう可能性のほうが高いんだから―。私は初めて付き合った人と結婚したいの!」
「ほんとすごいよねるみって。私もこんなに純粋だったらなあ…」
彼氏なんて欲しいとも思ったことがない。
ていうか、彼氏という存在について考えることもない。
そのくらいに毎日が楽しく充実していた。
私に恋なんて無縁だと思っていた。
好き、そんな感情抱いたことがなかった。
なんでみんな好きな人ができるんだろう?
好きってどんな感じなんだろう?
自分に「好き」が生まれる自信なんてなかった。
初恋の人と結婚して、初恋の人をずっと好きでいたい。
そんな夢見てるのに恋ができる気はしなかったんだ。
………