鼻を摘んで目を閉じて…
 一昔前の少女漫画なら、好きな子イジメとか淡いロマンスを期待したりできるんだろうけど、キッカケはあったからそれを考えれば、まあ全く心当たりがないってわけでもないか。




 「んっ…わかった。この件については了解したと伝えてくれ」

 「はい」

 「別け…ケホッ……」




 なんか、さっきからこいつ…喉に違和感でもあるのか、やたらと咳払いしてるよね。

 花粉症かな?

 風邪?

 臭いってほどじゃないけど、タバコの匂いもしてるから、それでいがらっぽいのかもしれない。

 だからって、別に心配したりする筋合いではないけど、気になるは気になる。

 ポケットを探ると…あったよ。

 しょうがないか、相手は覚えてないみたいだけど、一応は幼馴染みだしって、大げさか。





 「あのぅ、もし良かったらなんですけど…」





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