春待ちとれいん
はるをまつ
友達のミカちゃんも、席が前後の田中くんも鈴木先輩も、皆みんな春休みを満喫しているのに。
なんで、私だけ。
『まもなく1番線のホームに──行きの電車が参ります』
聞き慣れたアナウンスに深い溜め息を吐き、重たい腰をゆっくりと上げる。
少しして到着した普通列車に乗り込み、窓の外を眺めた。
……はぁ。
今日も、気が重い。
「はい、じゃあ今日は数Iの補講ね。教科書98ページ開いてー」
隣のクラスの担任の先生が、数人しかいない生徒に向けて言葉を投げかける。
学年イチのギャルだったり、この前教室の窓を割って学年主任の怒号が飛んだお調子者だったりと、錚々たる顔ぶれで行われるのは──1年生最後の追試。
なんで、私だけ。
『まもなく1番線のホームに──行きの電車が参ります』
聞き慣れたアナウンスに深い溜め息を吐き、重たい腰をゆっくりと上げる。
少しして到着した普通列車に乗り込み、窓の外を眺めた。
……はぁ。
今日も、気が重い。
「はい、じゃあ今日は数Iの補講ね。教科書98ページ開いてー」
隣のクラスの担任の先生が、数人しかいない生徒に向けて言葉を投げかける。
学年イチのギャルだったり、この前教室の窓を割って学年主任の怒号が飛んだお調子者だったりと、錚々たる顔ぶれで行われるのは──1年生最後の追試。
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