春待ちとれいん
「もうすぐ補講追試期間も終わりでしょ?その人がずっとその時間の電車を使うって保証もないし、頑張ってみるのも1つの手だと思うけど」

「が、頑張るって……!」

「告白」



むむむむ無理……!

喉が詰まったように声が出てこなくて、私は代わりに何度も首を振った。



「まぁハードルは高いよねー。お互い名前も知らないんだし」

「……うん」

「でも、後悔だけはしないようにね。恋心ほど不安定なものはないんだから」



レイの言葉が胸の奥で響いた。





撮り溜めていた恋愛ドラマを一気に見てしまった夜の翌日。



「やっばっいー!」

「もう咲良!走らないで!」

「ごめん!」



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