春待ちとれいん
「……っ」



冷たい風が肌を撫ぜる。

指先が震えてるのは、今日が冬みたいに寒いから?



「……もうちょっとだけ待ってみよ」



ベンチに腰掛け、冷えた手をさする。

彼も私みたいに寝坊しただけかもしれないし。

元々2本早い電車に乗ってたから、ちょっとくらいなら問題ない。



そう思ってベンチに座ってたんだけど……昨日の夜更かしが祟ってか、ものすごい睡魔に襲われた。

何とか意識を保とうと頑張ったけど、それは叶わなかった。





夢の中に、金髪の彼が出てきた。

彼は私と同じ場所にいる。

線路なんて挟んでなくて、手を伸ばせる距離にいる。



< 15 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop