春待ちとれいん
「あなたの名前はなんですか」、「歳はいくつですか」、「どこの学校ですか」……。

夢の中で沢山たくさん問いかけるけど、彼からの返事はない。

だって私、彼の声を知らないんだもん。

知らなければ、夢にだって出てきようがない──





──カァン!

軽い音と小さな衝撃に目が覚めた。



「!?」



はっとして顔を上げると、足元に飴玉が転がっている。



「え……」



もしかして今、これが飛んできたの……?

キョロキョロと周りを見回すと──



「……っ!」



ホームの向こうで、金髪の男の子が私を見ていた。



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