春待ちとれいん
きらめく雪解けの春を、後悔しないために。



停車していた電車が走り出す。

固い決意を胸に私も歩き出そう、そう思って振り向いた──瞬間。



「え……」



反対側、いつも私がいたホームで……金色の髪が揺れた。

朝よりちょっとだけ背筋が伸びてて、でもやっぱり眠そうな彼が、いる。

それを理解したのと当時に、私は駆け出していた。



今しかない。

あの時間がなくなってしまうなら、私が掴みに行くしかないんだ。



階段を駆け下り、改札の前をスルーして。

いつもは朝通る道を、全力疾走。



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