春待ちとれいん
それなのになんで、図形と睨めっこしなきゃならんのだ!





「仕方ないじゃない、2学期までの貯金がなかったんだから」



さらっと傷を抉られ、私は頭を垂れた。

夕食を作りながら私の愚痴を聞いているのは、お母さん。



「でも!みんなが休みを満喫してる中しなくてもいいと思わない!?」

「何言ってんの、休みって言ったって補講追試期間でしょ?みんな追試なんて受けなくていい点数だったから、今遊べてるんじゃない」



……う。

正論を次々に述べられ、返す言葉が見つからない。



「あ、そうだ。さっき先生から連絡あってね。明日は10分早く学校に来てください、だって」

「えー!?なんで!」

「知らないわよー」



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