春待ちとれいん
『まもなく2番線のホームに──』



駅構内にアナウンスが流れ、その人は寝ぼけ眼を擦りつつ立ち上がった。

漸くはっきりと顔を見ることが出来たけど……うん、やっぱり美形。



時計を見ると、ちょうど27分から28分に時針が動いたところだった。

電車が来たのは、それからすぐのこと。

彼は気怠そうに列車に乗り込み、線路の向こうへと消えていった。



ちょっと怖そうだったけど、かっこよかったなぁ。

あんな制服見たことなかったけど、どこの高校なんだろう。

ずっと28分の電車に乗ってるのかな。



2分後にやってきた電車に揺られながら、私はさっきの男の子のことばかりを脳内に浮かべていた。



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