君がくれたもの
第1章
遊び人というやつ
隣の席のあいつは、
嫌いだ。
いつもヘラヘラしていて、女の子を両手に抱えて歩いている。
それに、あいつの笑顔はいっつもわざとらしくて
貼り付けたような笑顔。
目だけが笑っていないんだ。
そんなあいつを気づけば観察している私は、
桐谷 日菜子 Kiriya Hinako
そして、
隣の席のあいつ、
金澤 大輝Kanazawa Daiki
名前の順で座っている席で
隣の私たち。
不幸なことにこれから先席替えは無い。
そんな自分の運の悪さに気づけばため息が漏れた。
そんな私のため息に気づいたやつは、
「なになにー?
日菜子ちゃんどうしたのー?」
と、ヘラヘラした笑顔を見せてくる。
そんなコイツにいらっとした私は、
「遊人には分かんないと思うよ?
それに、気安く私の名前を呼ばないで」
と、冷たく睨み返した、
「え〜?そんなこと言わないでよ~。」
と、笑うこいつに、
「あー!うざい!
その貼り付けたみたいな笑顔いい加減やめてよ!
わざとらしい!
見ててイラつく!」
そう怒鳴ってから、
親友の
葉山麻美 Hayamo Asamiの元へと向かった。
そう、あいつが、
怪しく笑いながら私を見据えるのにも気づかずに…。
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