君がくれたもの
ズキズキ痛む頭を押さえて起き上がると、
保健室のベッド。
すごく顔面が痛いんですけど、
私が起きたのに気づいたのか
保健の先生が、
カーテンを開けて
「桐谷さん大丈夫?」
と聞いてきた。
大丈夫?
「…はい。」
すごく痛いけど、
「軽い脳震盪だと思うから、
でも一応早めに病院に行ってね。
今日は早退でいいわよ。」
はぁ、一方的に話す先生に頷いて、
帰る準備を痛む顔を押さえながら
教室へと向かった。
あ、お母さんに迎えの電話しとこ。
あ、スマホ制服だ。
着替え行かなきゃ。
更衣室で着替えを済ますと
お母さんに電話をかけた。
だけど、
プープープーッ。
通話中。
大翔は、確か今日講義お昼からって言ってたよね?
大翔に電話するとワンコールででた大翔。
「大翔、今暇?」
《ん、安定の暇さ。》
「あのさ、今から学校に迎えきてくれる?」
《…なんで?》
「顔面にボール当たって軽い脳震盪だって
念のため病院行けって言われた。」
《オッケー、すぐ行く。》
「ありがと。」
《おう。》