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君がくれたもの
112ページ
君がくれたもの
「日菜子?!」
「桐谷さん?!」
教室を出た私の横から聞こえた
優香と亜美ちゃんの声。
それさえも無視して、
私は昇降口へと向かった。
靴を履き替えて外に出ると、
校門前に止まる大翔の車。
助手席に泣きながら飛び乗った私を
心配そうに見つめる大翔。
だけど、
大翔はなにも言わずに車を発進させた。
「…うぅっ。」
静かな車内には私の泣き声だけが響いていた。
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