君がくれたもの


優香side

私の横を泣きながら通り過ぎて行った

日菜子。

教室に入ると、

物が散乱した床に、

その真ん中に呆然と立ち尽くす大輝。

そんな大輝の腕をゆさゆらゆらす、

「野澤。」

あの人の、妹。

「どういうこと、大輝。」

今にも崩れ落ちそうな大輝に詰め寄ると、

「…日菜子傷つけた。」

ガッ

崩れ落ちた大輝を後ろから支えた、

「和樹。」

「なになに、隣の教室でサボってたら物凄い怒鳴り声聞こえたよ。

大輝どうしたの?」

呑気な和樹に、

ホッとする反面

亜美は、隣の野澤を睨んでいた。

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