君がくれたもの
大翔の想い人
日菜子side
部屋で泣きじゃくってくると、
コンコンと叩かれた扉。
返事もしていないのに勝手に開いた扉は
多分大翔。
「なぁ、日菜子。」
ベッドに座ったのか軋んだベッド
「俺の話聞いてくれるか?」
そう言う大翔の声はどこか震えていて、
気づけば私は泣きながら顔を上げていた。
涙を拭って顔を上げた私に優しく笑いかける大翔は、
まさにお兄ちゃんって顔をしていて、
スッと私に2枚の写真を差し出した。
一枚目の大翔はきっと一番荒れてた写真。
そしてあと一枚は、
荒れてた大翔が私達には見せなかった照れた笑顔と、その隣には可愛く笑う小柄な女の子。
「その子な
名前は坂野光希Sakano Mituki って言うんだ。
今はもう……
この世にいない。」
ゆっくりと話し始めた大翔の隣に静かに座ると、
切なそうに笑って私の頭を撫でた大翔は
ゆっくりとまた話し始めた。