君がくれたもの
「こいつらは、
日菜子ちゃんを裏切ったんだぞ?」
震える悲しそうな金澤の声に
私は首を振り続けた。
違う、裏切ったんじゃない。
全部、全部私が悪いの。
「…もういいの…。
2人にはたくさんの幸せをもらったから。」
ぽつりと溢れた涙。
さよならなんて、
もうとっくの昔に覚悟していた。
「2人は想いあってるのに、
邪魔なんて、できないよ。」
無理やり骨格を上げた私に、
3人は、呆然と私を見つめていて、
ほぼ裸の麻美と悠介も、
何故か悲しそうにしていて、
私は顔を手で覆って涙を流しながら、
2人との出会いを振り返った。