君がくれたもの


それから医者の話を聞いた俺、

右足と右腕の骨折と

肋と鎖骨の骨折、

頭を6針縫ったとも言われた。

入院は、リハビリも入れて半年。

監禁生活が半年も続くのかよ、と悪態をついて、

いつ抜け出そうか考えていると、

「大翔!抜け出したら怒るからね!」

と日菜子に釘を刺されてしまった…。

だけど、

同じ病室の女の子の存在を思い出して、

少し嬉しくなったものあったんだ。

先生や、看護師、家族が病室を出て行くと、

途端に静かになる2人部屋の病室。

え、

2人部屋?

いや、年頃の2人が2人きりはやばくない?

って何考えてんだ?俺。

ほら、医者も、

激しい運動もダメって言ってたし

って、

何考えてんだよ!本当に俺!

てか、この怪我じゃ歩くこともできねぇ。

旬にでも目覚めたってメールしとくか。

そう思いケータイを探してもどこにもない、

左手しか動かせない俺は一苦労だ。

それにしてもなんでケータイないんだ?

そう思った時、

コンコン、

スーッ

「大翔、そういえばケータイ壊れちゃったらしいから私の貸しとくね!

新しいのは来週くらいに買ってくるって〜。」

と言って、俺に渡してきたのは

ピンクのデコデコ(母さんの趣味)のケータイを渡してきた、

思わず顔を歪めると、

「一応、今までお見舞い来てくれた人のは入ってるよ!
みんな心配してたからメールでもなんでもしてあげてね。」

と言って、出て行った日菜子と入り違いでは行ってきた、

女の子、


< 120 / 302 >

この作品をシェア

pagetop