君がくれたもの


後からわかった話、

光希は手術をしたらしい。

延命治療。

あの時の発作は

光希の人生で2番目に大きいものだと知った。

そして、光希は2週間経ってからやっと戻ってきて、

ニコニコ笑って、

「心配かけてごめんね、大翔。」

そう言っていた。

俺は、何故か体が勝手に動いて

痩せ細った光希の体を気づけば強く強く抱きしめていた。

そして、

「…俺、光希が好きだ。」

幼いなりに本気の告白。

だけど、

「…私も好き。

だけど、ごめん。
付き合えない。」

震える声で光希はそう言った。

光希の腕が俺の背中に回ることはなくて、

俺の服を強く掴んで、

「ごめん。
ごめんね。」

それしか言ってはくれなかった。


< 125 / 302 >

この作品をシェア

pagetop