君がくれたもの
後からわかった話、
光希は手術をしたらしい。
延命治療。
あの時の発作は
光希の人生で2番目に大きいものだと知った。
そして、光希は2週間経ってからやっと戻ってきて、
ニコニコ笑って、
「心配かけてごめんね、大翔。」
そう言っていた。
俺は、何故か体が勝手に動いて
痩せ細った光希の体を気づけば強く強く抱きしめていた。
そして、
「…俺、光希が好きだ。」
幼いなりに本気の告白。
だけど、
「…私も好き。
だけど、ごめん。
付き合えない。」
震える声で光希はそう言った。
光希の腕が俺の背中に回ることはなくて、
俺の服を強く掴んで、
「ごめん。
ごめんね。」
それしか言ってはくれなかった。