君がくれたもの


そして、俺の退院の日になって、

退院をしても毎日光希に会いに行っていた。

だけど、

光希が本当なら高校に行ける歳になった頃から、

光希はどんどん症状が悪化していった。

俺より1つ下の光希。

会うたびに悪くなる顔色。

それでも俺に会うと必死に笑顔を浮かべる光希が愛しくて、

だけど、
苦しかった。

そんなに俺は頼れないのかって、
何度も泣いた。

だけど、

ある日1週間の外泊許可が出たんだ。

多分、きっと…

最後の外の世界。

もう随分と仲良くなった俺と光希のお母さんとお父さんと、光希のお姉ちゃん。

その、1週間の間俺はずっと光希と時間を共にした。

光希がずっと行きたいって言っていたテーマパークにも光希の家族と一緒に行った。

海にも、水族館にも…

たくさん行った。

ずっと、光希は笑っていて

幸せそうだったんだ。

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