君がくれたもの


廃工場の前で、優香のヘアピンが落ちてた。

それを辿るように中に入ると、

優香のハンカチ、

ティッシュ、

ゴム、

そして、最後には、

制服のスカーフが落ちていた。

それは、廃却炉のような小さな扉の中のようなもので、

恐る恐る中を開けると、

ガクガク震えた優香が俺に飛びついてきたんだ。

すごく震えていて、

怯えていて、

すぐに病院に運ばれた。

病院で診断されたのは

【暗所恐怖症パニック】と【閉所恐怖症】

そのあと優香は、すぐに逃げるように留学した。

お兄は、未だに眠り続けていて、

冷夏さんは、
お兄が死んだって思ってる。

優香をすごく憎んでるんだ。

そこに閉じ込めたのも冷夏さん。

だけど、この話にはもっと先があった。



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