君がくれたもの


日菜子にも優香にも、辛い想いをさせたくないから、

俺は冷夏の行動を

その妹、野澤愛佳から聞き出そうとしてたんだ。

だけど、優香にすごく怒られた。

と、

全部を話すと、
また、

日菜子は泣いていて、

「ふっ、泣き虫。」

そう笑った俺を日菜子は抱きしめて、

「泣きたい時は泣いていいんだよ。

どんな大輝でも私は好き。

だから、私に本当の大輝を見せて?」

そう耳元で囁いた日菜子。

その瞬間

全てがどうでもよくなって…。

偽りの性格が崩れ落ちた気がした。

気づけば俺は日菜子をベッドに押し倒していた。
ごめん、日菜子。

「…いいよ。」

そう笑った日菜子は優しく俺の頬に手を当てると、

チュッと唇にキスをして、俺の首に腕を回した。


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