君がくれたもの


そのまま初めて結ばれた私と大輝。

最初は、あの時の記憶と重なって震えたけど、

大輝が私を見つめる瞳が優しくて気づけば恐怖さえなくなっていた。

好きな人と初めて結ばれるのがこんなに幸せなんて思わなかった。

私と大輝が1つになった時、

嬉しくて幸せで涙が止まらなかった。

本当に心の底から大輝が愛おしく思えて、

気づけば、

「愛してる。」

そう言っていた。

初めて、口に出した言葉。

その言葉は涙と一緒に自然に出て、

涙と一緒に大輝の胸の中に消えていった。




こんなに幸せでいいんだろうか。

こんなに誰かを愛おしく思ってもいいのだろうか。

この先に待ち構える残酷な事が一刻一刻と迫っているのにも気づかないで、
ただ、幸せをかみしめていた。



< 142 / 302 >

この作品をシェア

pagetop