君がくれたもの

その瞬間、私たちの近くのドアが開いて、

よぼよぼおじいちゃんがゆっくりと歩いてきた。

……いつも思うんだけど、本当に大丈夫なの?

重そうな教材を持っていて、手伝いに行こうと足を踏み出した時、

横をスッと通り過ぎた影。

「持つよ。」

そう言って、教材を持ち上げたのは大輝。

軽がるくもった教材に、

先生は嬉しそうに笑顔になると、

「金澤、いつもありがとうな〜。」

とニコニコ笑顔。

「こんな重いの持つ時はいつでも言えって言ってるだろ?」

「すまんすまん、ふほっほっほっ。」

と笑ったのほほんおじいちゃん先生。

なんか、癒されるなぁ。

ってそれにしても、

いつも?

大輝がたまにいないのは先生の手伝いをしているからなの…?


何故かそれを聞いてポカポカと暖かくなる胸。

あぁ、
大輝を好きになってよかった。

こんなに優しい人大輝しかいない。

まっすぐで、

自分は無愛想だって、
兄貴みたいに優しくなれないって言ってたけど、


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