君がくれたもの
大輝、私の中で誰よりも優しいよ。
だから、
お兄さんと自分を比べないで。
私は、ありのままの大輝が好きだから。
「日菜子、席戻ろ〜。」
「え、あ、うん。」
優香と一緒に自分の席に着くと始まる、地理。
隣には大輝がいて、
大輝の横顔が愛おしくて、
大輝に伝えたい。
私を好きになってくれてありがとう。
って、
ノートの端っこにシャーペンを走らせて
【こんな私を好きになってくれてありがとう。
出会ってくれてありがとう。
大好きだよ。
日菜子】
そう書くと、びりっと破って一つだけ折って大輝の机と投げた、
それに気づいた大輝は、
怪訝そうな顔をして紙を開くと
途端に笑顔になって、
自分のノートに綺麗な手でシャーペンを持って走らせると、
同じようにピリッと破って私の方へと投げてきた。