君がくれたもの
第4章

再会



クリスマスから3ヶ月。

春休みになって、バイト帰りに桜並木を歩いていると、

「…あら?夏休みの優香といた子?」

優香。

その言葉に反応して振り向くと、


無意識に強張る体。

今にも怒鳴りつけたいほど。

そこには、
野澤冷夏さんが立っていた。

相変わらず綺麗で、

こんな人と一緒にいた大輝がなんで私を選んだのかがわからない。

「ちょっといいかしら。」

怪しく笑った口元。

その人が指指したのはカフェ。

有無を言わせない口調。

この人の笑顔が

私に拒否権を無い事を教えていた。

渋々ついていくと、

目の前に出された
コーヒーとオレンジジュース。

冷夏さんは優雅にコーヒーに口をつけると、

「私の奢りよ。」

そう言って私にオレンジジュースを差し出した。

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