君がくれたもの
「…ども。」
オレンジジュースに口付けると、
甘酸っぱい味。
けど、おいしい。
「…単刀突入に言うわね。
大輝と別れて。」
「…は?」
なに言ってんの?この人。
怪訝な顔をした私に余裕の笑みを浮かべる冷夏さん。
「別れたくないっていうなら、
人の男とった優香を暗いところに閉じ込めるから。」
なに、言ってんの、この人。
「私の愛しい人を殺したあいつを許さない。」
そう言った冷夏さんに、
直人さんの事を思い出した。
そういえば大輝、
冷夏さんは直人さんが死んでるって思ってるんだっけ。
「違います!直人さんは…「気安くあの人の名前を呼ばないで!」
今まで落ち着いた態度だった冷夏さんの態度が急に荒れた。
「それに!優香は!…「私の前で直人と優香の名前を出すのは禁止よ。」
そう言った冷夏さんに怒りが湧いてくる。
ちゃんと最後まできいてよ!
そう思ってるのに聞く耳を立ててくれない冷夏さん。