君がくれたもの


「大丈夫。」

があの時の男の子と被って、

余計涙があふれた。

「…日菜子、」

悠介の

私の愛しい人の声も、

耳には届かなくて、

唯一届くのは、

金澤の声だけだった。

なんで、

こんなにこいつの腕の中は落ち着くんだろう。

なんで、

なんで、
こんなにも、

悠介といた時にも感じられなかった

安心感が私を覆うのかも、

バカな私には気づくはずもないんだ。

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