君がくれたもの


そういえば、酔い止めがまだだったな。

そう思い重い腰を上げてリビングへと降りた。

だけど、

リビングには誰もいなくて、

変わりに、

【パート行ってきます。
お母さん

講義いってくる。
優しい兄貴

チョビの散歩してくる。
優しい父】

とテーブルに置いてある置き手紙。


確か、酔い止め引き出しにあったよね?

そう思いながら、リビングの片隅にある電話機の引き出しを開けると、

酔い止めの薬があって、

「あったあった。」

独り言を言いながら取り出すと、

見えた、


【養子完了のお知らせ。】


…?

日付は15年前?

嫌な予感が胸をよぎった。

震える手。




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