君がくれたもの
ラーメン屋でバイト中の休憩時間に鳴り響いた着信音。
それは、日菜子からのものでにやける頬を抑えながら
「もしもし。」
電話に出ると、
『大輝くんか?!
大変なんだ!日菜子が!日菜子が!」
……きえた。
俺はバイトをすぐに抜け出して、
近くの河原へと走った。
すると、
「大輝!」「金澤!」
優香と野田。
顔面蒼白をした2人が、
「日菜子は?!」
そう俺に詰め寄ってきた。
そんなの、そんなの、
「俺がしりてぇよ!」
そういった時、
「やばく無い?!あれ!
誰か!止めなよ!」
道行く人たちの声に、嫌な予感がして恐る恐る河原を見ると、腰から下を沈めた
「日菜子!!」
「ひなこ!」
「日菜子!!」
俺の世界で一番大切な人。
俺は急いで土手を駆け下りて
川に飛び込もうとした時、
「…バイバイ。」
涙を流してそういった日菜子は
川の中へと消えていった、
「日菜子!!」
俺も急いで飛び込み、
どんどん沈んでいく日菜子の腕をなんとか掴んで、
川から出ると、
日菜子の呼吸を確認する。
だけど、
脈が止まっていて、青白い顔。
「日菜子!日菜子!」
何度も何度もそう言いながら強く心臓マッサージをし続けていると、
「退いてください!」