君がくれたもの
ボロボロ止まらない涙。
だけど、
強く優しく抱きしめられている私は、
しばらくすると、
気づけば涙も止まっていて、
ボロボロの私に映ったのは、
金澤の悲しそうな顔と、
悠介と麻美の涙だった。
なんで?
なんで?
「なんで、悠介と麻美が泣くの?」
震える低い声が、
廊下に響き渡った。
「…そうやって、
私を悪者にするの?」
なにを言っても無言の2人に、
また涙が溢れて、
「…違う、
日菜子ちゃん。
違うよ。」
金澤の声も耳に入らない。
只々、
2人を冷めた目で見つめる私。