君がくれたもの


あれから1ヶ月。

日菜子は未だに目を覚まさない。

もう夏休みが終わり、

学校帰りに病院へと寄るのが日課になってきた。

大通りの車通りの激しい国道沿いの花屋に、

寄ると、色取り取りの花。

今日は何を買いに行こうか。


黄色のガーベラと向日葵。
綺麗なブーケにしてもらい、

病院への道へと歩く。

病院へ着いて

日菜子の病室に入っても、

未だに眠ったまま。

泣きそうになるのを堪えて花束を花瓶に生けると

今日もゆっくりと話し始めた。

「…今日で日菜子が眠り続けて1ヶ月だな…。
早く起きろよ。
優香と野田すごく寂しそうだぞ?
和樹と一平も元気ないし。

みんな、日菜子に会いたいって言ってるぞ?

日菜子、笑ってまた戻ってきてくれよ。
おばさんだって、おじさんだって、大翔くんだってすごく痩せたんだぜ?

優香も、野田も、和樹も一平もみんな痩せた。

……ごめんな。

守らなくてごめん。

気づいてあげられなくてごめん。」

《…大輝、好きだよ。》

頭の中でまだ残ってる。

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